思い出と共に暮らす家
取材日2019/09/20
長岡市宮内地区に築40年以上の生まれ育った家をフルリフォームしたO様邸。ご両親が他界され、ご実家をどうするか・・・
アパートで一人暮らしをしていたOさんは『マンションを買うか、古家をリフォームするか』と住み方について考えるタイミングになったそう。今回は、生まれ育ったご実家をフルリフォームし、住んで1年。『思い出と共に暮らす家』をお訪ねしました。
※取材は新潟県内の企業情報を発信しているstyry編集部が行っております。
新築ではなく、リフォームに決めたきっかけについて
この地は今から74年前の長岡空襲で焼け野原になったようです。
「私の生まれ育った家は、戦後この辺りで1番初めに建てた家。」と叔母から聞いています。道路に面したスペースは、祖父の頃から作業場として使われ実に築70年ちょっと。
漆職人だったお父様も仕事場として使っていました。その後ろのスペースは住宅部分で築40年以上。
マンションを買おうか・・・仏壇もあるし・・・家の解体にもお金がかかるし・・・
色々と迷いましたが、費用面でも無理のないリフォームに決めました。フルリフォームですが新築の金額とは全然違いますよ!
渡邉大工との出会いについて
正直、リフォームをどこにお願いするのがいいかもわかりませんでした。
ホームページやパンフレットを見て調べました。どんな家を提案するのか、施工事例なども見たりして。
渡邉大工さんは、とってもあったかくて素敵だな~と感じたのが一番初めのきっかけです。他にも2社と話をしたり、見積り依頼をしたりしましたが、渡邉大工の渡邉社長がとてもいい人で、お願いすることに決めました。
お父様の手がけた欄間は現在、部屋の扉として新しく生まれ変わっていた。
どんな物が、どんな風に使われ思い出を残しているのですか。
実は私、これを残して欲しいとか、これが思い出だとか、そんなお願いも特になかったんです。プロの方々が、安全に使えるものかを判断・選別し、必要な物を残しながら手作業で解体していたようです。
建築家さんとは2回程お話をしましたが、その時に私がお願いしたことは「洗濯物を干すサンルームが欲しい、隙間風がなく冬でも暖かく過ごせるように、湿気が溜まらないように」の3つ位の希望だけでした。
こんな家にして欲しいなんてイメージもなかったので(笑)
実際に完成したお家は、『感動と驚き!』しかありませんでした。
元々の柱を『柱と梁』に使われていますね。この柱は前の家のここにあった柱かな...とか、前ってここに何があったかな?って考えるのも面白いですよね。それと、父が漆職人だったので、家の欄間は父が漆を塗って仕上げてありました。その漆仕上げの欄間が、2階の部屋のドアの飾りに使われていたのは嬉しかったですね。
実際に住んでちょうど1年。住み心地と四季を通じて感じることは。
1日1回は『あ~、いい家だなぁ。。。』と言ってしまってます。
この地域は準防火区域なので、防火ガラスを使用しています。ほとんどがすりガラスなので外から見えることはありません。カーテンは2階の部屋の一ヶ所のみ。カーテンがないのでスッキリしてとても開放的。でもすっごく明るくて。笑い話ですが、リフォーム中に近所の方が、窓が少なくて暗くなると心配して大工さんに声をかけたそうです。実際は、とっても明るくて。明るすぎで眩しく感じ、今は電球を2個外してます…。
気密性もよく真冬だって、エアコン1台で暖かく過ごせたし、湿気で困ることもありませんでした。唯一お願いした私の3つの要望は全て叶ってます。
大好きな食器とインテリア雑貨、そして両親との思い出の品に囲まれて暮らす心地よさは本当に幸せです。
渡邉大工でリフォームをしてみていかがでしたか。
渡邉社長には感謝と大満足しかありません!
アパートで一人暮らしをしながら実家をフルリフォームだったので、荷物の全てを渡邉社長宅で預かってくれたんです。こんなにまで親身になって良くしてくれるところなんてないと思いますよ。まさか、築40年以上の古家がこんな素敵な姿になるなんて驚きですよね!
取材を終えて
道路に面したガレージは昔、漆職人のお父様の作業場として使われていた所。そこを通り玄関へ。扉を開けた瞬間、明るい光が迎えてくれる。真っ白の壁と大きな窓から差し込む光、心地よいインテリアと穏やかな雰囲気のOさん。全てが暖かく平穏な空気が流れていました。
ガレージやご自宅の柱は昔も今もO様邸を支えている。40年以上前から使っていたであろう桐ダンスをご自分で塗り直したり、お父様が手がけた漆器やお母様が長年使用していたミシンをインテリアとして、思い出と共に生活を楽しんでいる様子は、親子の想いが通う丁寧で心地よい暮らしに移り変わっていました。
フルリフォームで、『大切な思い出と共に暮らし続ける』を実現したとても素敵なO様邸でした。
素敵なアンティークのミシンも家族の大切な思い出。